みんなの住まい

利便性と和のしつらえが洗練性を増していく「浅草」エリア

どことなく懐かしい風情を残しつつ、国際的に人気のある観光スポットとして目覚ましい進化を遂げる浅草。おなじみの銀座線の開業当時からの賑わいを今日に伝える、憧れの街の住み心地について、浅草エリアにお住まいのママに伺いました。

お話を伺った人:嶋津優美さん 浅草エリア在住10年

旦那さんと高校1年生と小学校3年生のお子さんの4人で浅草エリアにお住まいの嶋津優美さんは、ベビーマッサージサロン「Petit Cheri (プティ シェリ)」を主宰されています。



古くて新しい街、浅草に住む

年間約3,000万人が国内外から訪れる浅草の人気スポットといえば、5月中旬に開催される三社祭で有名な「浅草寺」ですね。628年に建てられ、都内最古のお寺とのこと。近代では1927年(昭和2年)当時「東洋唯一の地下鉄道」「日本初の本格的な地下鉄」と呼ばれた営団地下鉄銀座線が浅草~上野間で開業するなど、東京の中でも早い時期から繁栄していたエリアです。古い情緒あるお好み焼き、もんじゃ焼き屋さんがのれんを掲げる街から見上げるスカイツリーや、オリンピックのおもてなしのために生まれ変わる、周囲のランドスケープ。昔と今の東京の良いところが盛りだくさんの浅草には、どんな暮らしがあるのでしょうか。

「浅草寺」の三社祭だけじゃない! たくさんのお祭りでみんな仲良し

「このあたりでは、年が明けたらお祭りの話をしはじめるくらい、お祭り好きな方が多いです。小さなお子さんがいる家庭では、稲荷町駅近くの『下谷神社』のお祭りがおすすめ。お神輿は立派ですが、縁日の規模が三社祭より控え目なので安全に楽しめますよ。8月は各町会で小規模な夏祭りを、日程をずらして開催します。消防団がポンプ車を使った大きなビニールプールを出したり、どじょうすくいやスイカ割りなどのゲームを出店したり、ほかの町会と気さくに行き合う感じです。新しく引っ越してきた方もこういった機会があるので地元になじみやすいですよ」(嶋津さん、以下同)。

ネットショッピングにはない、ホットなお買い物体験が合羽橋に

「浅草駅から西方向にひろがる合羽橋商店街には、飲食店の経営者が調理器具や食器を買いに、また、外国からも和食器を見にいらっしゃる観光客も多く賑やかです。私の父はよく、道に迷っている様子の外国人に話しかけて、古いたたずまいのお好み焼き屋さん『染太郎』に一緒に行ってきたり、家に連れてきてごちそうしたりしていました。私は足立区でカフェも経営していますが、飲食店の材料はすべて合羽橋でそろえました。たくさんのネットショップと比べても合羽橋のほうが安い印象ですし、業務用ばかりでなく、白いグッズにこだわった『bai-se(バイ・スー)』や『itonowa Life(イトノワ ライフ)』など、おしゃれな雑貨の店もあるんです」(同)。

合羽橋でお買い物の合間にくつろげる「KAPPABASHI COFFEE & BAR」

飲食店の経営者が仕入れに集まる街のカフェ、プロの中のプロをも唸らせる渾身の一杯を堪能

フードにクラフトに、新鋭クリエイターが集まる「蔵前」エリアも徒歩圏内

浅草駅から600メートルほど南下すると蔵前に着きました。両国国技館ができる前は、蔵前が”相撲の街”だったようですが、今はママ友達と誘い合って行くと楽しめそうな、おしゃれなカフェがたくさんあります。

「最近は御徒町~蔵前エリアが『カチクラ』と呼ばれて注目されています。倉庫だった所などを改装して、いつの間に?と驚くペースで個性の強いおしゃれなお店がたくさんできました。合羽橋と同様に、飲食業界のプロもお店をチェックしにくるスポットでもあります。国際通りを中心に、伝統的な物づくりの街でしたので、もともと家具屋さんも多いですね。そのため、おしゃれな新しい家具屋さんも増えているようです。また、小学校だった場所を利用して、『台東デザイナーズビレッジ』という、ファッションや雑貨など、デザインに関連するビジネス分野のクリエイターが創業しやすいよう支援する施設が2004年に設立されたました。クリエイターだけでなく、若い人たちに向けて、子育てや居住に関する支援制度も充実しています」(同)。

有機中国茶を楽しめる「リリーの薔薇園」も蔵前のフレッシュな感性あふれるティールーム

今まで味わったことのない豊かな香りのプーアル茶と、日本での販売は珍しい「茶玩具」という素焼きのマスコットを愛でる

「私は蔵前で生まれ育ちました。結婚して子どもができ、マイホームを買いたいというタイミングで、実家から徒歩20分の浅草エリア、合羽橋近辺の物件が見つかりました。ここでは子どもを街のみんなで育てる感覚があるので、学校でも団結力が高いですし、運動会などの行事に大人がお揃いのTシャツを着て、PTAでない方も張り切ってお手伝いしています。誘い合うことをためらわないけれど、無理強いもしません。そういう距離感と親密さのバランスがいいですね」(同)。

レトロな外観が愛らしい台東区循環バス「めぐりん」

食、病院、暮らしに必要なものすべてが手近なところに

「普段の買い物は『マルエツ』と、『ビューホテル』近くの『ライフ』、『ROXショッピングセンター』地下にある『西友』、『三平ストア』などを使い分けています。手土産などは自転車で日本橋、またはおしゃれして電車で銀座にも行きます。お医者さんにもかかりやすいと思います。休日や夜の急な子どもの発病があっても、『台東区準夜間・休日こどもクリニック』という安心な制度もあります」(同)。

国立国会図書館国際子ども図書館は重厚で美しい建物を眺めるのも楽しみのひとつ(国立国会図書館ウェブサイトより転載)

緑豊かな公園とアカデミックな施設がそろっている

「天気の良い日には、ユニークな遊具がそろっている入谷南公園に行きます。上野方面に足を延ばすこともあります。浅草や田原町から歩いても15分程度で行けますよ。上野駅には、たくさんの電車の上を通る橋があって、電車好きの子どもにはたまらないスポット。緑豊かな『上野恩賜公園』あたりは、『国際子ども図書館』やたくさんの博物館、美術館を気軽に楽しめます。また、台東区立小学校ではオーケストラを持っている小学校が4校あり、音楽教育が盛んです。 ジュニアオーケストラの演奏会では、プロが使う文化会館の大ホールを使わせてくれることもあります。弦楽器と違って、金管楽器は小学校に上がってから楽器を始めた子でも、ジュニアオーケストラのオーディションに受かる可能性が高く、のちに音大に進む子もいるようです。区が積極的に環境づくりをしていることが実感できます」(同)。

通常の書架のほかに、児童書の歴史に触れられるギャラリーも贅沢な空間(国立国会図書館ウェブサイトより転載)

昔ながらの「気風の良さとおもてなしの心」で新しく来た人に温かい

浅草エリアの気風の良い下町の文化や、街ぐるみで子育てする温かいコミュニティー、そして若いクリエイターや新しいこともどんどん受け入れ、進化を続ける姿が嶋津さんのお話からも見えてきました。注目の浅草エリア、観光だけでなく住むことも考えて歩いてみると違った風景が見えてくるかもしれません。

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