“ご近所づきあい”が生む暮らしの価値とは

ライフスタイルが多様化し、人間関係が希薄になりがちな現代、隣にどんな人が住んでいるのか知らないという方は多いのではないでしょうか。しかしながら、東日本大震災などの経験から注目を集めているのが地域コミュニティの重要性です。

そこで、分譲マンションにおけるコミュニティの大切さに着目し、居住者同士の交流を深める取り組みを行なっている三井不動産レジデンシャルサービスの栗原聖志さんに、ご近所づきあいが生む暮らしの価値についてお話を伺いました。

今回お話を伺った方:

三井不動産レジデンシャルサービス株式会社 サービス推進部 サービス企画課
栗原聖志さん

マンション管理会社の立場から居住者同士の交流を深めるイベントの企画・運営を担当する。

ご近所づきあいで育む「共助」の意識

「私たちが提供したいと考えているのは、居住者の方たちの暮らし心地の良さなんです」

そう語る栗原さんが勤めるのは、マンション管理会社の三井不動産レジデンシャルサービス。マンションの清掃やメンテナンスなど、生活を快適にするためのサービスを居住者の方々に向けて提供しています。

そのサービスの一つとして取り組んでいるのが、居住者同士のコミュニティ形成を後押しする「Residential Greeting(レジデンシャルグリーティング)」という“入居者あいさつ会”です。コミュニティ形成のきっかけづくりを目的に、参加者の自己紹介や地域情報の交換に加え、主催者からの住宅設備や防災設備、提供サービスの案内などを行なっているそうです。

ご近所づきあいに抵抗がある方が多いと思いきや、参加率は高く、入居世帯数のうち8割以上が参加するケースもあるとのこと。しかも、ご家族そろっての参加が多いとか。

「住まいを同じくする人同士、交流を持ちたいという考えの方が多くいらっしゃいます。特に防災に対しての関心が高く、大変ご好評をいただいております」と栗原さん。

クイズ大会などの企画を通じて交流を深めていく

近年、大規模な自然災害がニュースで報道されることで注目を集めているのが、災害時にお互いを助け合う「共助」という考え方。以前行なった調査では、マンション内に顔見知りが20人以上いる人のうち7割が、災害時に駆けつけてくれる人がいると回答したという結果があるなど、日常の交流が災害に強い関係を作るとのこと。

「Residential Greeting」を通じて居住者間の交流を生むことで、「共助」の意識定着を後押ししていきたいと栗原さんは語ってくれました。

防災に関する情報は好評とのこと。集合住宅だからこそ「共助」の意識を普段から育むことが大事なのかもしれない

ご近所づきあいがすまいの価値を高める

居住者同士の交流が生むのは、災害時の共助意識だけではありません。「Residential Greeting」での自己紹介で意気投合し、同じ趣味の方同士で休日に行動を共にするなど新たな交流の機会を生んでいるそう。

「マンションには理事会がありますが、そこに出席されるのは所有者となるご家族の代表者の方だけです。そうなると、ご家族構成もわかりませんし、ましてや趣味の話で交流する雰囲気でもありません。理事会とは違った交流の場を提供することで、居住者の方同士の距離を縮めていただきたいと思っています」

理事会とは異なりご家族全員で参加されることも多く、趣味やライフスタイルの話などで盛り上がるそう

「また、新築マンションを購入される方はお子さんがいらっしゃる方も多く、育児の情報を共有したいという方も多くいらっしゃいます。」

「お互いのことを知り、普段のあいさつをしあう良好な人間関係を築くことが、すまいへの愛着を育み、永く暮らしたいと思っていただくことにつながると考えています。さらに、共に生活するすまいを良くしていきたいという居住者の方々の意識がマンションの価値を高めていく原動力であると考えています」

このように栗原さんは想いを語ってくれました。

会場に設置された「ごあいさつボード」では部屋ごとに住人からのメッセージが貼られており、どんな人がどこに住んでいるかが一目でわかる

現状でも多くの方が参加し、交流を喜んでもらえているといいますが、栗原さんの想いはまだまだ尽きません。

「『Residential Greeting』には私たち管理スタッフも参加し、居住者との交流を図っています。交流を通じて、どんな方々がお住まいになっているかを知ることが、スムーズな業務につながると思いますし、参加者のアンケートなどをもとにかゆいところに手が届く、きめ細やかなサポートをしていきたいと思っています」

住人と管理会社というドライな関係性だけでなく、そこに暮らす人とその暮らしを支える人として個人間の関係性を築き、さまざまな困りごとを解決していけるコミュニティを形成する。それも、そのすまいに暮らす価値を高めてくれるということなのですね。

関係性が希薄になりがちな現代だからこそ、人と人のつながりで価値を創造していく。そこには人々の暮らしに向けた愛を感じることができました。立地や間取りと同じように、入居後のコミュニティ形成やサポートも、長く快適に暮らせるマンション選びのポイントかもしれません。

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